抵当権の一括申請

抵当権設定

  • 同一の債務を担保するため、所有者を同じくし又は異にする2個以上の不動産について、抵当権設定契約の日付けが異なる場合でも、当該抵当権の設定は、便宜、同一の申請書で申請してさしつかえない(昭和39年3月7日民事甲第588号)。
    • 登記原因及びその日付は、各不動産ごとに特定する。
    • 原因日付は「後記のとおり」と記述する
  • 土地及びその土地上の地上権を共同担保とする抵当権の設定は、同一の申請書ですることができる(「登記研究」第177号73頁)。
  • 土地の所有権及び土地の持分を共同担保とする抵当権の設定は、同一の申請書でできる(登記実務)。
    • 注 持分の表示は申請書の不動産の表示中に記載すればたりる。

抵当権移転等

  • 一不動産に数個設定のある被合併会社名義の抵当権の移転の付記登記は、同一の申請書でできる(昭和10年9月16日民事甲第946号民事局長回答)。
    • 注 課税価格は債権額の合計金額。

抵当権変更など

  • 根抵当権の債務者の交替的変更および債権の範囲の変更と極度額の増額(いずれも同一の変更契約によるもの)の登記は、同一の申請書で申請することができる(「登記研究」第451号126頁)。
  • 所有者を異にする共同(根)抵当権の変更登記の申請を同一の申請書で申請することができる(「登記研究」第427号103頁)。
  • 所有者を異にする共同根抵当権についてする元本確定の登記は、同一の申請書でできる。(登記実務)
  • 順位変更の登記の申請は、不動産ごとに各別の申請書によるべきであるが、共同担保の場合、各不動産についての順位変更にかかる抵当権の順位番号及び変更後の順位がまったく同一であるときは、同一の申請書ですることができる(昭和46年12月27日民三第960号第三課長依命通知)。

抵当権抹消等

  • 追加担保物件がある抵当権抹消の登記は、同一申請書でできる(登記実務)。
    • 注 順位番号が異なる場合は、不動産の表示に「(順位何番)」を記載する。
  • 所有者を異にする共同(根)抵当権についてする(根)抵当権抹消の登記は、原因が同じ場合は、同一の申請書でできる。(登記実務)
  • A不動産(甲)とB不動産(乙)の場合、甲または乙のみで申請人となり、同一申請書で(根)抵当権の抹消を申請することはできないので、甲および乙が申請人となり同一申請書で申請する。
    • A不動産(甲・乙)とB不動産(甲・乙)の場合、甲または乙のみが申請人は可
    • A不動産(甲・乙)とB不動産(甲)の場合、甲のみ申請人は可

 

  • 同一不動産に同一抵当権者が数個の抵当権を設定している場合、同一原因により抵当権抹消の登記を申請する場合は、同一の申請書でできる(登記実務)。
    • 注 登記の目的 2番、3番抵当権抹消または抵当権抹消(順位番号 後記のとおり)

あるいは、
抹消すべき登記 年月日受付第何号
           年月日受付第何号


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