根抵当権移転

  • 相続による根抵当権の移転登記については、申請書に添付された民法第903条の特別受益証明書または遺産分割協議書などの書面に既発生の債権を相続しない旨、および民法第398条の9第1項の合意による指定を受ける意思のない旨が明らかに記載されている者は相続人とならない。(昭和46年12月27日民三第960号)
    • ※合意による指定を受ける意思のない旨が明らかではない場合は相続人として民法第398条の9第1項の合意の当事者となる。
  • 根抵当権者について相続による根抵当権移転、または債務者についての相続による根抵当権変更の登記がされているにもかかわらず、相続開始後6ヶ月を経過しても、指定根抵当権者の合意の登記、または指定債務者の合意の登記がなされていなかったときは、元本確定の登記を要せず、元本の確定後でなければすることができない登記の申請ができる。(昭和46年12月27日民三第960号依命通知)

全部譲渡

  • 全部譲渡につき根抵当権設定者甲の承諾を得て、根抵当権が移転したが、その登記未了のうちに、所有権が甲から乙に移転し、その旨の登記が完了してしまったときは、その後にする根抵当権移転登記の申請のときの承諾書は、甲のものでなく乙のものが必要になる。(「登記研究」第450号)
  • 共有者の権利の全部譲渡による移転の登記の目的は「○番根抵当権共有者何某の権利移転」のように提供する

分割譲渡

  • 分割譲渡の登記の申請情報として、極度額、債権の範囲、債務者等の情報を提供することを要する。極度額については、譲渡額と、譲渡後の原根抵当権の極度額も併せて提供することを要する
  • A,Bの共有する根抵当権について、1回の分割譲渡で、AとBがそれぞれ単独で有する2個の根抵当権とすることはできない
    • A,BがBに対して分割譲渡した後に、Bが元の根抵当権について権利を放棄する必要がある。
  • 共同根抵当権について分割譲渡の登記を申請するときは、申請情報の内容として共同担保目録の記号及び目録番号を提供することを要する


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