送達

意義

  • 訴状を始めとする訴訟手続上の重要な書類は、当事者等に確実に渡されなければならない。そのために、送達という特別の伝達制度が設けられている。
  • 送達は、特定の者に訴訟上の書類の内容を知る機会を与えるために、特定の者に特別の方式で書類を交付し、または交付を受ける機会を与える行為である。直接交付することが原則であるが(101条)、これに限られない。訴訟手続は、重要な書類が当事者に送達され、当事者の手続上の権利が保障されたことを前提にして進行する。当事者は、送達された書類を受け取らなければならない(送達は命令的行為である)。
  • 送達に際しては、伝達の確実を期し、後日の紛争を予防するために、送達報告書が作成される(109条。送達は公証的行為である)。

送達名宛人

  • 本人が訴訟無能力者の場合は、法定代理人に送達する
  • 法人・社団・財団に対する送達は、その代表者にする
    • 共同代理(あるいは共同代表)の場合には、その一人にすればよい
  • 刑事施設に収容されている者に対する送達は、刑事施設の長にする
    • その妻に送達してもその効力は生じない
  • 訴訟代理人がいても、本人になす送達も有効である。
  • 送達された書類を受領することができるのは、まず、送達名宛人である。送達名宛人が送達場所にいない場合には、同居者等の補充送達受領資格者も受領することができる