不法行為

  • 責任を弁識する能力のない未成年者の行為により火災が発生した場合において、失火の責任に関する法律にいう重大な過失の有無は、未成年者の監督義務者の監督について考慮され、監督義務者は、監督について重大な過失がなかったときは、その火災によって生じた損害を賠償する責任を免れる。

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不真正連帯債務

  • 法人の不法行為
    • 法人が損害賠償債務(44条)を負う場合、理事個人も損害賠償債務(709条)を負う(大審院昭和7年5月27日判決・民集11巻1069頁)。この法人の債務と理事個人の債務は、不真正連帯債務の関係に立つとされる。
  • 使用者責任
    • 被用者の不法行為による使用者の賠償債務(715条)と、被用者の賠償債務(709条)は不真正連帯債務の関係にあるとされる。使用者が賠償をした場合は、被用者に対し求償することができる(715条3項)。
  • 共同不法行為
    • 共同不法行為(719条)において、各共同不法行為者の負う損害賠償債務は、不真正連帯債務であると解されている。一人が賠償をした場合は、不法行為者同士の間における負担割合に応じて他の共同不法行為者に対して求償することができる。